『得丸君、小面の写真を撮りたいのだけれど・・・・・』。
高橋先生より電話をいただいたのが、始まりでした。
小面をどう撮るか。モダンアート的にするか、伝統美として表現するか。『・・・・・』の含みについて、高橋先生と何度も打ち合わせをしました。先生は最初、3Dアート的な表現をねらっていたようですが、打ち合わせを重ねるうちに少し軌道修正をされたようです。『話題のビルの、エントランスで撮影したらどうだろう』「いっそ小面と女体を絡めて撮る、というのはどうですか?」『いいんね、それでーー』楽しい、わくわくする禁じられた会話が後に続きますが、ここでは伏せておきます。
さて、2色の金紙をしわくちゃにして並べ、その上で撮影することになりました。”時代を超越した輝き”をテーマとしました。それにしても、小面のなんと表情豊かなことか。そして、生きているような含み笑い。それは二人の会話を盗み聞いていたからかな?何て思った、楽しい撮影でした。
能面作者 能美一秀
提供 鳩居堂
撮影 株式会社オージージーアイ
得丸裕康